| 4月3日 |
別荘の春 |
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一番先にやってきたのはウグイスの声。四周に響きわたる澄んだ声、心に染み込んでくる。3月7日初音。それから約1ヶ月晴れた日は今も聞こえる。3月20日別荘の裏の栗林の地面からヒョッコリ頭をもたげているフキノトウの可憐な姿。とても天プラにして食べる気にはなれない。3月末になってようやくつくしが遠慮がちに伸びてきた。今年は少ないようだ。時を同じくしてゼンマイも土をもち上げて顔を出した。おそまきながら梅も開花を始めた。
4月に入ると幹むき出しの栃の木にヤマガラやシジュカラもやってきてにぎやかになりつつある。
動物舎の中では鶏が卵を温め始め、取れる卵が少なくなってきている。
もう少ししたら木々に新芽が吹きだしてくる。同じく雑草たちも勢いを増してくる。束の間の春を楽しみ、充分にエネルギーを貯えておこう。
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| 4月4日 |
大和心 |
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久かたの光のどけき春の日に
しづ心なく花のちるらむ
紀友則 |
背振の往復。山の装いが日々に変化していくのがわかる。この頃は特に、山すその桜が開花して更に美しく変化した。ハンドルを握りながら歌でも口ずさみたい高揚した気分になることだってある。
以前花を見ては行楽、花見酒、花より団子と浮かれた気分になったものだが、今の心境はそう単純でもない。
”武士道の象徴は桜の花だ”という新渡戸稲造。桜の花は香りは淡く人を飽きさせない。自然の召すまま風が吹けば潔く散るこの清澄爽快の感覚が大和心の本質であるといっている。
ある本には、桜の花には気品があり、また優雅であり、他のどの花よりも私たち日本人の美的感覚に合致するとも云っている。ちなみにヨーロッパ人はバラの花を愛でるらしい。そしてまた桜の花を愛した西行法師。「願わくば…」の歌のとおり、4月の花の下で旅立っていったことを思い厳粛な気分にもなる。間違いなく自分が日本人であると思い知らされる時でもある。
間もなく別荘の桜も開花の時期を迎える。
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| 4月8日 |
小休止 |
暇にまかせて書店へ出かけた。目的の本を探したが見当たらない。数日前に置いてあったのに、聞いてみると売切れたとのこと。次の大型書店も同じ。この日3店まわったが全て消えていた。思い当たる節はある。メディアのプロパガンダの威力を見せつけられたようだ。 数週間たってその本は再び現れた。
「国家の品格」
なぜか数学者の藤原正彦氏が書いている。読んでみて書店から消えた理由が分かった。日本の今を的確に捉え、問題の本質を常識にとらわれず鋭くえぐっているところに読者の共感を得たものと思う。また、このような本を読む多くの人達がいることに対して、日本人も捨てたものではないと思う。4月5日新聞によると、170万部を超えるベストセラーになっているという。
世の中はうねるようにして流れている。その流れに逆らっても飲み込まれて沈んでしまう。きれいごとだけでは生きていけない。洞察力のある者、また強運の持主はそのうねりに乗って上手にゆられながら勢いを増していく。まさに時流に乗るということだろう。
本の内容に一部触れると、高い経済成長を遂げて豊かな暮らしになった日本、繁栄の代償に国家の品格が失墜したという。今は市場原理主義がもてはやされていて、公平に戦い勝者が利を独占する論理。これについて著者は「卑怯」であるという。強い者が弱い者をやっつけることは武士道精神に反するという。惻隠の情が必要であるといっている。 世界から尊敬をされるためには情緒と形が大事であり、これを育む主力は若い時に感動の涙と共に読書すること。また、国の威力を量るのは、数学、文学、芸術活動であるともいう。
日本人1人1人が美しい情緒と形を身につけ、品格ある国家を保つことは日本人として生まれた真の意味であり、人類への責務であるという。日本は欧米化のみにとらわれず、有史以来ずっと「異常な国」であり、今後もそうあり続けるべきだといっている。
著者のせまるアングルと思考の過程に共鳴を起す。久しぶりに魅力ある本に出合えた。品格のない自分を省みつつ、遅いこともあるまい。今からでも名作を読んでみるか。
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| 4月15日 |
花ちゃん入院 |
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おん齢7月で13歳、人間齢に換算すると68歳というが、この歳まで大病もなく子育ても18匹してきたし、平凡ではあるが幸せにやってきたと思っている。犬の幸せは1にも2にも飼い主による。猫可愛がりしてもらっても困る。犬だから、逆に檻の中にほったらかしされてもストレスがたまる。おかげさまで昼は鳥栖から背振山の中腹にある会社の別荘までドライブし、山の動物達と遊んで帰ってくる。毎日不満のあろうはずがない。
最近、白髪が増してきた。おかげ様で娘のモモやチビのナナよりはずっと色白だし、立ち居振る舞いも上品でおしとやかに見えるだろう。本当は単に歳をとっただけかもしれないが、また白内障もわずらい毎日目薬をさしてもらって飼い主に甘えている。
こんな中、4月7日から5日間動物病院に入院。入院中お腹を切られ、背中を切られ、腫瘍を取ってもらった。大手術であったがまだまだ食欲は旺盛だし、モモや山の友達とも会いたい。退院したばかりでまだ背振の山には行けないが、同居犬のモモとナナも鼻をなめたりお尻をかいだりして心配してくれるので、ここが一番いい。山に行ける日が楽しみだ。まだまだくたばらないぞ。 |
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