脊振日記 目次(Vol.64) 脊振日記メニューへ バックナンバーへ
7月 30日 涼 感
8月 7日 他山(北アルプス・穂高連峰)
7月30日 涼 感
 暑い暑い、せみの声もガンガン響いてくる。ここ別荘でも連日、気温が30℃を超えている。今日はすでに33℃まで上昇、犬達もニワトリ達も日影に集っていく。こんな時ひそかに小玉のスイカを持ち込んだ。池へ流れる井戸水に冷やした。見るだけで気分が涼感に変化し童心にかえる。
 昼のご飯やおかずの固いものはスムーズにのどを通らない。冷たい流動物が最高の今、ランチタイムに一人で、誰にも邪魔されず丸ごとスイカを食べた。

冷たくて、みずみずしく、甘くて生き返る。真夏の太陽にも勝る女王スイカ。これでまた1時間は外で休まずに動ける。食べ残しの皮は動物舎の鶏たちがおいしそうに食べた。夕刻、会社に帰ったら、またまたスイカが待っていた。もちろん喜喜として黙って食べた。
戻る


8月7日 他山(北アルプス・穂高連峰)
 山小屋泊の山行に参加した。初めての北アルプス。
 上高地から梓川沿いに樹林の中を歩く。カラマツやイチイの大木の下、涼感がいっぱい。時おり清流に足を止め見つめていると、川底に蟻地獄のようなスリバチ状があちこちに見える。その周辺は特に水が澄み切っていて、色は淡いブルーである。間違いなく湧水が吹き出ていた。冷たい。



 横尾山荘で朝を迎えたが、天候は急変していて濃いガスに包まれたうえ雨が降っている。安全のため予定を変更し、穂高岳山荘に向けて歩く。シラカバやダケカンバの木を横に見ながら進む。涸沢では、雪渓の中で初めてアイゼンを装着、雪の感触がサクサクとして心地良い。涸沢の小屋に立ち寄ったが風が強く体は汗と雨で冷え切って震えた。狭い小屋の中に入れてもらい一杯のコーヒーをいただいたが、温かさと甘さが全身にしみわたっていく。今までの人生のなかで一番おいしいコーヒーであった。涸沢から更に登っていくと、珍しい花々が雨風に耐え岩肌で咲き誇っていた。 時おり下方を見ると、雪渓を登ってくる人々が豆つぶのようにちっぽけに見える。まるでアリの行列だ。万物の霊長だと優越感にひたっていることが、ここでは滑稽にさえ見える。
 この日、山荘で雑魚寝したが、翌朝になっても気象は好転しない。奥穂高岳に挑戦した。強風と雨とガスと寒さの中、四つんばい状になって鼻水をたらしながら恐怖を感じつつ登った。まもなく山頂という所で、安全のため更に予定を変更して、来た道を下山した。
 全行程を振り返って一日として楽な日はなかったが、それに増す喜びもあった。それは理屈ぬきで厳しくかつ美しい自然に接することができたからであろう。また、苦しみや喜び楽しみは往々にして表裏一体である。


 豆知識

主峰である奥穂高岳を初め、涸沢岳、北穂高岳、前穂高岳、西穂高岳などの峰々からなる穂高連峰は、長野県・岐阜県にまたがる、飛騨山脈(北アルプス)にある山です。主峰「奥穂高岳」は3,190mあり日本第三位の高峰です。
戻る



2007 盛夏
日山ホームホームページへ
サンマガジントップへ