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秋の夜長、眠れないとき、虫の声や雨の音を聞きながら本を読む。難しい本は、意欲が萎えてしまうので、つい好きな作家の本を手にしてしまう。いつもは、読んだ後スッキリする司馬遼太郎とか藤沢周平であるが、今回は立川昭二の「人生の不思議」を枕許に置いて数日間、眠り薬とさせてもらった。(枕許には常時、山行用のヘッドランプを置いている)
9月に入院したせいか、次の事項に共鳴した。
「健康で過ごしているとき、人は日常の生活や人間関係に流され、本当の自分というものを、意識し確認することはなかなか出来ない。しかし、病気になると、日常的な生活や人間関係から引き離され、病苦という他人と共有しにくい心身の出来事に直面させられ、誰しも否応なく自分と向き合わざるを得なくなる。人はその隠されていた真の自己発見に驚き、健康という日常性の中にいたときの自己との亀裂に愕然とする。そして、自分にとって何が一番大事なものであるかを改めて知るのである」
あとがきで次のように述べている。
「人生の幸福とか安心を目標に生きていくより、人生の不思議ということを座標にして生きていくと、人生はかなり色合いの違ったものになってくるに違いない。とりわけ、年をとれば、いま生きていることを不思議と感じ、その不思議を見つめて生きていくことのほうが、気も軽く心も楽に生きていけるのではないだろうか」
人生の不思議を座標にしていくことによって、知らぬうちに幸せがやってきているのかもしれない。 ・・・やはり秋の夜だ!!
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